カナロコ
「障害はブランド」と言えるまでの軌跡描く/本社スタッフが本を出版

 重度の障害がありながら、恋をし、仕事もこなす、すがやあゆみさん=横浜市在住=のはつらつとした姿を描いた本「ナチュラル 障害はあたしのブランド」(中経出版、千二百六十円)が出版された。「障害があるとか、ないとかに関係なく自然に生きたい」という、あゆみさんの思いと、たくましく成長してきた日々がつづられている。

  あゆみさんは現在、神奈川新聞社デジタルメディア局のスタッフ。ホームページの更新や、福祉コンテンツ「ゆにねっと」の企画・制作などに携わっている。

  生まれつき、先天性多発性関節拘縮症という重度の障害があり、努力を重ねた結果、歩行はある程度可能になったが、今も手足の関節は曲がらない。

  本書では、仮死状態だった出生時から、機能回復の訓練に努めた「負けず嫌い」な子供時代、演劇部に所属し、のびのびした毎日を送った養護学校生活などを振り返る。

  家族の支え合い、インターネットとの出合いによって能力発揮の希望を見いだしたこと、パワーの源となった恋の話も紹介。「このカラダが嫌い」と思っていたあゆみさんが、「あたしにしかない人生を送るために与えてもらった身体」「障害はブランド」という前向きな心境に変化してゆく軌跡がいきいきと描かれている。

  併せて、たちばないさぎさんが、あゆみさんをモデルにその生い立ちを書いた漫画(九八ページ)も掲載。社会に飛び出し、ネットアイドルを目指す、あゆみさんの奮闘ぶりを、コミカルなタッチで伝えている。

  本に関する問い合わせは、中経出版電話03(3262)0371。

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